バレンタインにカレーはいかが=カカオ豆高騰で商品多様化―百貨店商戦
大手百貨店のバレンタイン商戦が今月下旬から本格化する。今年は包材費などとともに、世界的な供給不足を背景としたカカオ豆価格の高騰が直撃。「(チョコレート菓子の)原価は倍になっている」(洋菓子店)との声が上がる中、各社は焼き菓子やケーキ、カレーなど商品を多様化して対応する構えだ。
「しょっぱいものはいかが」。松屋銀座(東京都中央区)が新たに提案するのは、メキシコの伝統ソース「モレ」をカレーにアレンジした「モレカレー」(1430円)。カカオ豆と一緒に炊いたコメに、チョコを使ったルーをかけた。今月31日~2月14日の期間限定で、店内で出来たてを提供する。
高島屋は、チョコを使用した焼き菓子などを拡充。バラ型のマドレーヌにチョコをかけた「ロサードマドレーヌ」(2808円)や、サクサクのサブレとチョコのハーモニーが楽しめる限定の「サブレ・オ・ショコラ」(3456円)などラインアップを昨年比約2倍に増やした。
そごう・西武では、カカオを使ったクッキーやバスクチーズケーキなどの品ぞろえが充実。東武百貨店池袋本店(東京都豊島区)は、冷凍乾燥した果物にチョコを染み込ませた菓子やハート型の「ラングドシャ」などに力を入れる。
松屋銀座のアンケート調査によると、今年のバレンタインチョコの平均予算は総額1万4868円と昨年比微増。自分用に限れば約2.4倍の9277円と大幅に増加した。各社は「ご褒美」需要も高いとみて、海外有名パティシエの高級チョコなども取りそろえて商戦を盛り上げる。
[時事通信社]
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