大坂、制球力向上に成果=再びトップ目指す―全豪テニス
大坂なおみは腹筋のけがの再発に見舞われ、女子シングルス3回戦途中棄権で全豪オープンを終えた。「もっと自分のテニスを輝かせたい」と、力で押す豪快さに安定感を加えようと努めているさなかだった。産休からツアーに復帰して1年余り。この大会と全米オープンでそれぞれ2度優勝した27歳は再びトップを目指す。
3回戦の第1セット後半、腹筋の痛みで上体をばねのように使えず、持ち味のサーブの球威がみるみる落ちた。だが、スピードを抑えてコースを正確に狙い、このセットだけで8本のサービスエースを決めており、3セットをフルに戦った1、2回戦よりも多かった。昨年9月から師事するパトリック・ムラトグルー新コーチの下で、配球のトレーニングを積んできた成果が表れた。
1回戦の後には「相手サーブへの対処でパトリックの助言が役立った。とたんに読めるようになった」と明かした。同コーチは四大大会通算23度の優勝を誇る名選手セリーナ・ウィリアムズ(米国)を指導した経験を持つ。大坂は憧れのセリーナに続こうと、プレーを安定させる技の習得に意欲的だ。
かねてメンタル面が不安視されたが、最近は瞑想(めいそう)したり、思考を書き留めたりして克服しつつある。今大会では劣勢になっても崩れずに自分のペースを取り戻す落ち着きを随所で見せた。「『ママ』というラベルを貼られるが、コートに入れば一選手」とアスリートの自負を示した。(メルボルン時事)
[時事通信社]
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