「電気ともすプライド」=阪神大震災の記憶―関西送配電社長
阪神大震災の発生直後から電力の復旧に当たった関西電力送配電(大阪市)の白銀隆之社長(62)が、時事通信などのインタビューに応じた。想定以上の速さで設備を修復した当時を振り返り、「社会に電気をともすのが、われわれのプライドだ」と決意を新たにした。
白銀氏は当時、関西電力の神戸支店(神戸市)で変電所の工事を発注・管理する業務に従事。1995年1月17日早朝の震災発生直後、大阪市内の自宅から職場までの鉄道、道路は寸断され、船を利用してたどり着けたのは翌朝だった。建物が倒壊するなど神戸市内は一変していたが「仕事に意識がいき、街並みの記憶があまりない」と語る。
電力は7日で応急復旧したものの「送れる電気の量は限られていた」。さらに、次の本格的な復旧過程では「夏場に拡大する電力需要に対応できるか」との課題に直面した。
変電所で破損した変圧器をすべて交換するには数年かかるとされたが、他の電力会社からの資材提供もあり夏前に復旧。「各社で連携し、復興に総力を挙げる力」を実感した。
震災を通じ「電気は社会の重要なインフラ」と確信した。関西送配電のトップとなった今、「自然災害はいつでも起こり得る。それに対してどう努力するかが一番大切だ」と強調。南海トラフ地震などの巨大災害も想定し、気を引き締めている。
[時事通信社]
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