父親の医師、無罪主張=男性への殺人ほう助―ホテル切断遺体・札幌地裁
札幌市の繁華街ススキノのホテルで2023年、会社員の男性=当時(62)=が殺害され、頭部を切断された事件で、殺人ほう助などの罪に問われた医師の田村修被告(61)の裁判員裁判の初公判が14日、札幌地裁(渡辺史朗裁判長)であった。同被告は起訴内容を否認した。
田村被告は、殺人罪などで起訴された田村瑠奈被告(30)の父親。弁護側は、田村被告は瑠奈被告による殺害計画を知らず、加担する意図もなかったとして無罪を主張した。
判決は3月12日の予定。瑠奈被告は2度目の鑑定留置が続いており、公判のめどは立っていない。
検察側は冒頭陳述で、田村被告が事件前、瑠奈被告や妻の浩子被告(62)=死体損壊ほう助罪などで起訴、公判中=と共に、男性の殺害計画について話し合っていたと指摘。瑠奈被告に頼まれ、事件に使われたのこぎりや折りたたみナイフを購入しており、田村被告の関与がなければ事件は不可能だったとした。
弁護側も冒頭陳述し、田村被告は瑠奈被告から「男性を殺したい」などの言葉を一度も聞いていないと主張。のこぎりは瑠奈被告が趣味で集めた木材を加工するために日常的に使っており、「購入は疑問に思わなかった」と説明した。
起訴状によると、田村被告は、瑠奈被告が男性を殺害することを知りながら、事件前にのこぎりやキャリーケースを購入して提供。23年7月、現場のホテルと札幌市内の自宅間を車で運転して瑠奈被告を送迎し、自宅に切断された男性の頭部を隠すことを容認した上、瑠奈被告が頭部を損壊する様子をビデオ撮影するなどし、犯行を手助けしたとされる。
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