東海の豪雨と猛暑、黒潮が影響=「大蛇行」で水蒸気増―東北大
近年東海地方を襲った豪雨や猛暑は、黒潮の「大蛇行」で水蒸気量が増え、大気が不安定化したことが一因であることが明らかになった。東北大大学院理学研究科の杉本周作准教授が高解像度の気候シミュレーションを用いて分析し、2020年7月の豪雨や台風などへの影響を初めて示した。今後も大蛇行が続けば、東海から関東では降水量増加や気温上昇により、厳しい夏になることが懸念される。
黒潮は九州の南から太平洋を北上し、房総半島沖で東に離れる暖流。日本列島に沿う「直進型」になる場合と、紀伊半島沖でいったん大きく曲がってから房総半島近くへ戻る「蛇行型」の2種類がある。17年8月以降、北緯32度より南まで蛇行する「大蛇行」となり、気象への影響が注目されていた。
従来の見解では、流路が本州から離れるため、東海や関東沖の水温は低くなると考えられていた。しかし、最新の衛星データによると、実際は水温が上昇し、蒸発が活発になっていることが分かった。
杉本准教授はスーパーコンピューターで、大蛇行の影響について詳細なシミュレーションを実施。沿岸部で水温が上昇し、東海から関東で降水量が約1.3倍に増加したことを突き止めた。発生した水蒸気が南風で陸地に流れ込み、温室効果で東海地方の気温が約1度上がることも示した。地球温暖化が進行して水温が最大5度上昇した場合、同エリアの降水量は1.5倍に増え、気温も東海で約1.6度、関東で約1.0度上昇するという。
[時事通信社]
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