安保・経済で連携=中国念頭「法の支配」確認―日マレーシア首脳
【クアラルンプール時事】石破茂首相は10日(日本時間同)、訪問先のマレーシアでアンワル首相と会談した。中国が覇権主義的な動きを強めていることを踏まえ、「自由で開かれたインド太平洋」実現や、「法の支配」に基づく国際秩序の維持・強化に向け連携することで一致。安全保障分野、脱炭素・エネルギーなど経済面での協力を強化する方針を確認した。
会談はクアラルンプール近郊の首相府で、少人数会合を含めて1時間半行われた。石破首相はこの後の共同記者発表で、「日本外交にとり東南アジアとの連携強化は最優先課題の一つだ」と指摘。「今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国であるマレーシアとさらに緊密に連携したい」と表明した。
両首脳は中国を念頭に、東・南シナ海情勢を巡り緊密に意思疎通を図ることで一致。日本が同志国に防衛装備品などを無償供与する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」、自衛隊とマレーシア軍による共同訓練、海上保安機関間の連携などの取り組みを進める方針を確認した。サイバーセキュリティー分野の協力推進でも合意した。
アンワル首相は共同記者発表で「再生可能エネルギー分野での協力関係を進めていきたい」と期待を示した。両首脳は、脱炭素化とエネルギー安保の確保に向け、日本や東南アジア諸国による連携枠組み「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想での協力強化を申し合わせた。半導体や航空機部品などのサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化、レアアース(希土類)開発での協力でも一致した。
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