中国系ハッカー集団を注意喚起=研究機関など200件超攻撃―警察庁
警察庁と内閣サイバーセキュリティセンターは8日、ハッカー集団「ミラーフェイス」が2019年以降、国内の研究機関や半導体関連企業、個人など210件を標的にサイバー攻撃を行ったと公表し、注意喚起した。安全保障や先端技術の情報窃取を目的に、中国政府が関与した疑いがあるとしている。
警察庁によるとミラーフェイスは、遅くとも19年から主に日本の企業などを標的に活動する集団。同庁などが攻撃で使われたマルウエア(悪意のあるソフト)などを分析した結果、一連の攻撃は「中国の関与が疑われる組織的な活動」だと評価した。
ミラーフェイスによる攻撃と判断された事例は、シンクタンクや外務省、防衛省、政治家などを標的に、マルウエアが添付されるなどしたメールを送り付け、感染させる手口。19年12月~23年7月ごろと24年6月以降に確認され、送付先は計173件に上っている。
差出人は、有識者や受取人が属する組織の元幹部らを装ったケースが多数あった。件名は「日米同盟」「台湾海峡」など国際情勢に関連する内容のほか、取材依頼をうたうものもあったという。
23年2~10月ごろには、37の半導体や情報通信に関連する企業などで、ネットワーク内に侵入されるサイバー攻撃が確認され、同庁などはこれらもミラーフェイスによるものと判断した。関係者によると、同年に攻撃を受けた宇宙航空研究開発機構(JAXA)も含まれている。
仮想プライベートネットワーク(VPN)機器の脆弱(ぜいじゃく)性などを悪用し、侵入する手口だった。内部情報が盗み見られた可能性がある。
[時事通信社]
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