日鉄会長「決して諦めない」=USスチール買収、実現へ意欲―中止命令の米大統領ら提訴
日本製鉄の橋本英二会長兼最高経営責任者(CEO)は7日、米鉄鋼大手USスチール買収計画の中止を命じたバイデン米大統領らを提訴したことを受け、東京都内の本社で記者会見を開いた。橋本氏は「(バイデン氏の)違法な政治的介入で大統領決定に至った。勝訴のチャンスはある」と強調。その上で「決して諦めない。諦める理由もない」と述べ、買収実現を目指す考えを示した。
日鉄は中止命令などの無効を求め、USスチールと共同で提訴した。また、米同業クリーブランド・クリフスと同社のゴンカルベスCEO、全米鉄鋼労組(USW)のマッコール会長を相手取り、反競争的行為の差し止め命令や損害賠償を求める訴訟も起こした。
橋本氏は、買収計画が「日本と米国にとって極めて有益。国家安全保障の強化に資するものだ」と主張。代替案に関しては「一切頭にない」と述べた。買収が不成立となった場合、日鉄はUSスチールに5億6500万ドル(約890億円)の違約金を支払う義務が生じる可能性もあるが、「現時点で日鉄とUSスチールは一枚岩であり、それが続く限り(合併)契約は切れない」と語り、当面は発生しないとの認識を示した。
また、クリーブランド・クリフスとゴンカルベス氏が「米国市場における自社の優位性確保を目的に、マッコール氏と連携し、強大な政治力を利用した」と批判。これがバイデン氏の違法な政治的介入につながったと指摘し、命令は「到底受け入れることはできない」と訴えた。
トランプ次期米政権への働き掛けについては「対米外国投資委員会(CFIUS)の再審査が認められれば、新政権の方々に、アメリカに資するものであると説明していく」と述べた。
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