米下院共和党、債務巡り火種=強硬派、議長に歳出削減要求
【ワシントン時事】3日開会した米下院では、多数派・共和党のジョンソン下院議長が議長選挙で辛うじて再選を果たした。党内の造反議員が賛成に回った。債務膨張を懸念する同党の保守強硬派はジョンソン氏に歳出削減を強く要求。トランプ次期大統領が掲げる減税で財政悪化が見込まれる中、火種がくすぶっている。
「小さな政府や財政責任など、米保守主義の核心となる原則を守らなければならない」。ジョンソン氏は議長選後の就任演説で、歳出削減や財政健全化を誓った。一方、「トランプ減税を延長する」と明言。2025年末に失効する大型所得減税の延長に注力する意向を示した。
ジョンソン氏はバイデン政権下で、民主党の協力を得て予算関連法案の議会通過を進め、政府機関の一部閉鎖回避に努めた。共和党内ではジョンソン氏の議会運営に不満が高まっており、スムーズな再選が危ぶまれていた。
こうした中、ジョンソン氏が頼ったのはトランプ氏だった。トランプ氏はSNSで繰り返しジョンソン氏への支持を表明、同氏に投票するよう共和党議員に働き掛けた。議長選では、造反議員2人が党幹部らの説得に応じ、最終的に賛成したことでジョンソン氏の再選が「劇的」(米メディア)に決まり、トランプ氏の面目は何とか保たれた形だ。
ただ、共和党下院の保守強硬派の中心メンバーらは声明で、ジョンソン氏の手腕を疑問視しつつも「トランプ氏への確固たる支持のため賛成した」と強調。ジョンソン氏に対し、歳出削減で合意しないまま、連邦政府の借り入れを増やさないといった要求を突き付けた。
[時事通信社]
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