能登の再生、新年に誓う=「半歩ずつ」、追悼式で黙とう―地震1年
能登半島地震は1日、発生から1年となった。死者は直接死と災害関連死を合わせ504人に上り、被災地には昨年9月の豪雨の爪痕も強く残る。甚大な被害が出た石川県輪島市では追悼式が開かれ、遺族らは地震発生時刻の午後4時10分、黙とうをささげて犠牲者の冥福を祈り、能登の再生を誓った。
追悼式は県主催で、日本航空学園能登空港キャンパス(同市三井町)の体育館で午後3時40分すぎに始まった。豪雨による犠牲者16人も対象に含まれた。
追悼式では馳浩知事が式辞で「被災された皆さまに寄り添い、声に耳を傾け、きめ細やかな支援を続ける。全力を傾注し復興への道を切り開いていく」と表明した。続けて石破茂首相は、災害から得られた教訓を生かし、「世界有数の災害大国であるわが国を世界一の防災大国にすべく力を尽くすことを固く約束する」と述べた。
その後、同県穴水町の小林由紀子さん(53)が遺族代表としてあいさつ。130年以上続いた衣料品店が地震でがれきと化し、父洋一さん=当時(82)=を亡くしたが、地域の支えで仮設商店街での営業再開にこぎ着けたといい、「半歩ずつだが夫と店を守り抜く。それが父への感謝であり、地域の皆さんへの恩返しだ」と涙をこらえながら誓った。
同県珠洲市の女性保育士(62)は母親=同(87)=の遺影を手に参列した。「頑張り屋で働き者の強い母」だったが、もともと心臓が弱く、避難中に亡くなり災害関連死と認定された。女性は「無我夢中の1年だった」と振り返り、天国の母親には「1年たったけど頑張っているよ。見守ってください」との言葉を掛けたいと話した。
午後4時10分には、参列者445人が1分間の黙とうをささげ、犠牲者の冥福を祈った。1日は能登半島各地で追悼の集いがあり、大規模火災が起きた輪島市の観光名所「朝市通り」でも強い雨が降り続く中、住民らが黙とうした。
[時事通信社]
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