空港設備で被害拡大か=滑走路先に土手、旅客機激突―韓国
【ソウル時事】韓国南西部全羅南道の務安国際空港で29日に179人が死亡した旅客機事故を巡り、空港の滑走路の先にある土手が被害を拡大したとの見方が出ている。済州航空の事故機は遭難信号を出して胴体着陸したが、減速できずに滑走路を通過し土手に激突、炎上した。
土手は滑走路の端から約250メートル離れた位置にあり、高さは約2メートル。航空機が正確な位置に着陸できるように方角を知らせ、誘導するための装置「ローカライザー」の土台として設けられている。
安全規定では、旅客機が滑走路をオーバーランした場合の衝突による被害拡大を防ぐため、空港の設備は危険が最も少ない位置に設置することを求めている。韓国メディアは「土手がなければ事故が小さかったかもしれない」とする航空専門家の意見を紹介した。
これに対し、国土交通省の幹部は、航空機が滑走路を飛び出す事態を想定して設けられる緩衝区域の外に土手が置かれていると強調。31日の記者会見では、滑走路から最低90メートルを緩衝区域とするのが「国際基準だ」と述べ、務安空港の土手に問題はないとの認識を示した。同様の土手は、米国やスペイン、南アフリカの一部空港にもあるという。
[時事通信社]
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