カナリア軍団、復権へ一歩=帝京、伝統校の勝負強さ―高校サッカー
優勝6度の帝京が、15年ぶりに冬の舞台に戻ってきた。名門にとって特別な国立競技場での戦い。同点の土壇場で、「笑顔でやれ!」と砂押主将の言葉が響いた。その一言でわれに返ったイレブンが、伝統校の勝負強さを見せた。
後半33分に追い付かれた直後だった。「主将の言葉で正気を取り戻した」という宮本が、わずか2分後に劇的な決勝ゴール。相手に傾きかけた流れを、すぐさま取り戻した。
復権を託されたのは、第77回大会で準優勝を経験しているOBの藤倉監督。「いろんな人の思いを背負って来ている。選手よりも私の方が重圧を感じていた」と率直に明かした。実に17大会ぶりの白星も、通過点にすぎない。
1970~90年代に一時代を築き、同じ黄色と青色のユニホームのブラジル代表になぞらえて名付けられた「カナリア軍団」。先制点を挙げたラビーニは「次も点を取って、チームを勝利に導きたい」。高校総体制覇も加えれば、全国制覇は過去9度。ユニホームに刻まれる10個目の星を目指し、一歩目を踏み出した。
[時事通信社]
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