「取り調べは不適正」=捏造有無、明確にせず―袴田さん捜査で静岡県警
1966年に静岡県でみそ工場の専務一家4人が殺害された事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)について、県警は26日、当時の捜査などに関する調査結果を公表した。捜査段階の袴田さんへの取り調べについて「任意性が否定されるような方法で、不適正だった」と結論付けた。
再審判決で指摘された証拠捏造(ねつぞう)に関しては、捏造をうかがわせる具体的な事実や証言は得ることはできなかったとする一方、捏造がなかったとする証言や事実も得られなかったとし、有無を明確にしなかった。
その理由として、聞き取りをした元捜査員はいずれも当時若く、捜査活動の中心的な立場ではなかった点などを挙げた。
県警と検察は袴田さんの無罪確定前、事件から1年2カ月後にみそタンク内で犯行着衣が見つかったと主張。調査結果は、発生当時にタンク内を調べなかったことについて「捜査が不十分だった」とし、初動捜査の不徹底が再審判決での捏造認定につながったとした。
また、取り調べの録音テープを確認した結果、弁護人との接見内容を録音したと思われる音声が残されていたことも公表。「重大な違法行為で、重く受け止め反省しなければならない」と述べた。
県警は再審判決後、存命の元捜査員6人や、みそ工場の元従業員6人に聞き取りをしたほか、当時の事件記録などの確認作業を行っていた。
津田隆好・県警本部長の話 大変重く受け止めている。今回の教訓を生かし、安心安全を守る県警になるように頑張っていきたい。
[時事通信社]
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