2024-12-23 20:43

重要施設周辺、中国が取得最多=土地・建物、外国比率2.2%―政府初調査

 政府は23日、重要土地等調査法に基づく「土地等利用状況審議会」を開き、安全保障上重要な施設周辺の土地・建物に関し、外国人・外国法人の取得状況を公表した。2023年度の取引全体に占める割合は2.2%。最多は中国だった。公表は22年の同法施行後初めて。施設への妨害電波発射など「阻害行為」は確認されなかった。
 同法は、基地や原発など重要施設の周囲1キロや国境離島を「注視区域」や「特別注視区域」と規定。これまでに583区域を指定した。
 今回の調査対象は、23年度までに指定した399区域。取引件数は1万6862件で、371件が外国人・外国法人によるものだった。このうち、特別注視区域の周辺は30件。24年度に指定した沖縄県の在日米軍施設は含まれない。
 国・地域別では、最多の中国が54.7%。韓国13.2%、台湾12.4%と続いた。区域別では、取引のあった全20都道府県のうち、防衛省市ケ谷庁舎(東京都)の104件、補給統制本部(同)の39件など、都市部の施設周辺が上位を占めた。内閣府によると、アパートやマンションの取得が約8割に上る。 
 23日の審議会では、航空自衛隊の宇宙作戦群が部隊を置く防府北基地(山口県防府市)を注視区域から特別注視区域に格上げするなど、区域指定の変更案を提示。関係自治体などの意見を踏まえ近く決定する。
 

 ◇外国人による主な重要土地取得状況
【北海道】札幌駐屯地10(中国8、台湾2)▽倶知安駐屯地5(ニュージーランド5)
【宮城県】仙台駐屯地1(中国1)
【茨城県】陸自朝日燃料支処8(中国6、タイ2)
【埼玉県】入間基地7(韓国4、タイ2、ベトナム1)
【千葉県】陸自松戸支処15(フィリピン6、台湾5、中国3など)▽下総航空基地7(中国7)
【東京都】防衛省市ケ谷庁舎104(中国65、台湾26、韓国5など)▽補給統制本部39(中国29、米国2など)
【新潟県】新潟空港6(韓国4、中国2)
【静岡県】浜松基地2(中国2)
【愛知県】高蔵寺分屯基地6(トルコ3、フィリピン3)▽守山駐屯地5(韓国3、パキスタン1、中国1)
【滋賀県】大津駐屯地6(中国5、韓国1)
【大阪府】八尾空港8(ベトナム4、中国3、韓国1)
【兵庫県】千僧駐屯地2(中国2)
【鳥取県】防衛省美保通信所2(フィリピン2)
【広島県】海田市駐屯地1(中国1)
【香川県】善通寺駐屯地3(中国3)
【福岡県】福岡駐屯地16(中国12、米国2など)▽福岡空港12(中国6、ベトナム3など)
【長崎県】対馬駐屯地5(韓国5)
【熊本県】自衛隊熊本病院5(台湾3、ベルギー2)
【鹿児島県】川内駐屯地2(シンガポール2)
【沖縄県】与那国島3(台湾3)▽知念高射教育訓練場3(中国3)
(注)数字は外国人による土地・建物の取得件数、カッコ内は国・地域別の内訳
[時事通信社]

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