テスラ株、米大統領選後2倍に=3年ぶり最高値、トランプ氏復帰追い風
【ニューヨーク時事】米電気自動車(EV)大手テスラの株価が急騰している。今月、2021年11月以来約3年ぶりに最高値を更新してからもさらに上げ、11月の大統領選前と比べ、株価は一時2倍に膨らんだ。マスク最高経営責任者(CEO)とトランプ次期大統領の距離の近さが業績に追い風になるとみられている。
テスラ株の20日の終値は421.1ドルと、大統領選投開票日直前の11月4日の終値比では73%高の水準。4月には、1~3月期の世界販売台数が約4年ぶりに前年同期を下回り、決算もさえない内容だったことを受け140ドルを下回る水準まで落ち込んでいた。それから3倍に跳ね上がった格好だ。
急伸の要因は、マスク氏が自身の率いるX(旧ツイッター)を通じた世論への影響力や巨額献金を活用してトランプ氏の返り咲きを支え、次期政権で事実上の最側近と言えるポストを確保したことだ。EV市場の成長鈍化がテスラの逆風となる中、次期政権はテスラが注力する自動運転分野などで、同社に有利となる規制変更などを検討していると伝えられている。
米アナリストは「トランプ政権はテスラの自動運転や人工知能(AI)での成長にとって『ゲームチェンジャー』になる」と強調。テスラの時価総額は現在約1.4兆ドル(約219兆円)とトヨタ自動車の約5倍だが、来年中にも2兆ドルに達する可能性があるとみる。他にも、機関投資家の目標株価引き上げが相次いでいる。
ただ、テスラの市場価値の大部分は将来の成長見通しに基づいており、株価は自動運転タクシーなど「まだ実現していないビジネスへの期待で上がっている」(日系証券)。期待に応え続けられなければ、大きく値下がりする恐れもある。
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