2024-12-21 14:59国際

トランプ、マスク両氏介入で混乱=年明け議会運営に火種―米

 【ワシントン時事】政府機関の一部閉鎖を回避するための「つなぎ予算」延長を巡る米下院の混迷は、トランプ次期大統領の介入で一気に深まり、米政界で存在感を増す実業家イーロン・マスク氏の参戦も拍車を掛けた。共和党は大統領職と上下両院を支配する「トリプルレッド」を達成したものの、年明けからの議会運営は難しいものとなりそうだ。
 ジョンソン下院議長(共和)が当初民主党と合意した延長案に、最初に異を唱えたのはマスク氏だった。「犯罪的内容だ」「廃案にしろ」。18日朝からX(旧ツイッター)に次々投稿すると、共和党内の空気は変わり始めた。トランプ氏の勝利に貢献し、次期政権が創設する「政府効率化省」のトップにも指名されたマスク氏は政治的発言を増やし、保守層に影響力を示している。
 トランプ氏も「法案反対」で続いた。「民主党を利する法案は国への裏切りだ」。さらに債務上限問題で共和党に圧力をかけた。
 慌てた同党執行部は、債務上限の効力停止延長を盛り込んだ新たな法案を提出。しかし、これに党内財政規律派が「恥だ」(ロイ下院議員)と猛反発し、採決では38人が反対に回った。結果的に、債務上限部分を削除した簡素なつなぎ予算延長案で、政府閉鎖の事態は何とか回避した。 
[時事通信社]

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