大綱決定も修正含み=25年度予算案に影響も―税制改正
自民・公明両党は2025年度与党税制改正大綱に、所得税の最低課税基準である「年収103万円の壁」を見直し、123万円に引き上げることを盛り込んだ。178万円を要求していた国民民主党との協議は打ち切りとなり、与党案を明記した形だが、自公は少数与党であり、税制改正関連法案がそのまま成立するかは不透明。今後の交渉次第では修正されかねない異例の事態で、25年度予算案の行方にも影響する可能性がある。
自公は25年度予算の成立のため、国民民主の賛成を取り付けたい考えだったが、178万円への引き上げは国・地方で大幅な減収が見込まれる。与党は「8兆円にも及ぶ減税が、本当に責任あるものなのか。それはできない」(与党の税制調査会幹部)として、25年度改正で要求通りの引き上げを実現することは困難と判断。年内の閣議決定を目指す予算編成スケジュールをにらみ、ぎりぎりのタイミングで大綱を取りまとめた。
国民民主の玉木雄一郎代表(役職停止中)は、「協力関係が崩れてしまうと単なる少数与党だから、予算成立を本当にどうするのか」と与党をけん制する。与党の税調幹部は「税法だって修正できる」として、国民民主との再協議による修正に含みを残した。
仮に大綱で決めた123万円を変更し、税収見通しが下振れすれば、その規模次第では「当初予算のフレーム(枠)全般を見直すこともある」(財務省幹部)。年内に税制改正大綱と予算案を閣議決定しても、その中身は年明け以降の3党協議の動向に左右されざるを得ない。
[時事通信社]
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