北陸新幹線、ルート決定先送り=年内断念、25年度着工困難に―与党
北陸新幹線に関する与党の検討委員会は20日、未着工区間である敦賀―新大阪間について、年内を目指していた詳細ルートの決定を先送りすることを決めた。京都府などが多額の費用負担や工事の環境への影響を懸念していることを考慮した。与党は2025年度中の着工を目指していたが、実現は困難な状況となった。
国土交通省は着工に必要な費用を25年度予算案に計上することを求めていたが、ルート決定が先送りとなったことを受けて断念する。
与党は16年、福井県小浜市と京都駅を経由する「小浜・京都ルート」を採用。今夏からは京都市周辺の詳細ルートとして、新駅を現在の京都駅の地下に東西方向に設置する「東西案」、南北方向に設置する「南北案」、京都駅から西に約5キロの桂川駅付近に設置する「桂川案」の3案を検討してきた。
だが、検討委が今月に行った沿線自治体へのヒアリングで、京都府と京都市は工事が地下水に与える影響や発生土の処理、費用負担などについて懸念を表明。検討委はこうした意見に慎重に対応するため、年内のルート決定を見送ることとした。今後は3案のうち、地下水への影響が大きいとみられる東西案を除く2案で検討を進める。
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