来年度予算、総額113兆円超=編成大詰め、来週閣僚折衝
2025年度予算案の編成作業が大詰めを迎えた。一般会計の歳出総額は113兆円を上回り、当初予算としては3年連続で110兆円を超える見通し。防衛費や社会保障費が膨らむほか、借金である国債の返済や利払い費に充てる国債費は過去最大を更新する。政府は来週前半から残された課題について閣僚折衝を行い、年内の決定を目指す。
政府はコロナ禍の際に規模を拡大させた歳出構造の平時化を目標としているが、主要国で最悪の状況にある日本財政の立て直しは停滞気味だ。当初予算の規模で過去最大は23年度の114兆3812億円。24年度は112兆5717億円と12年ぶりに前年度を下回ったものの、25年度は再び増額となる公算が大きい。
閣僚折衝の焦点の一つが、公立学校教員給与の上乗せ分の扱い。残業代の代わりに給料月額の4%を一律に上乗せ支給している「教職調整額」の引き上げ幅を巡り、財務省と文部科学省が詰めの協議を行う。関係者によると、両省は30年度までに現在の4%から段階的に10%へ引き上げる方向で折り合えないか検討している。
また、政府は25年度予算案で、物価高対応や賃上げ促進などを目的とする予備費を計上しない方向で調整を進めている。予備費は自然災害や経済危機など不測の事態に備えるもので、使い道を定めない一般予備費と、特定の目的に限定した予備費がある。特定目的の予備費はコロナ禍を機に数兆円規模に膨らんでいた。
先の衆院選で少数与党に転落した石破政権は、来年の通常国会での予算成立に向けて主要野党と政策協議を続ける。来夏の参院選をにらみ歳出圧力が強まる中、国民民主党が掲げる「年収103万円の壁」見直しなどの対立点も残っており、与野党間での厳しい交渉が予想される。
[時事通信社]
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