渡辺恒雄さん死去、98歳=読売グループ本社主筆、政界に影響力
読売新聞グループ本社(東京都千代田区)代表取締役主筆の渡辺恒雄(わたなべ・つねお)さんが19日午前2時、肺炎のため、都内の病院で死去した。98歳だった。東京都出身。葬儀は近親者のみで執り行う。喪主は長男睦(むつみ)さん。後日、お別れの会を開く。
東京大卒。1950年、読売新聞社に入社し、政治部記者、ワシントン支局長、編集局次長兼政治部長などを経て、91年同社社長に就任した。2002年、持ち株会社制への移行に伴い、読売新聞グループ本社社長に就き、04年1月~16年6月会長。99年6月~03年6月には日本新聞協会会長も務めた。08年旭日大綬章。
政治部記者時代に築いた人脈を生かし、政財界に影響力を保持した。07年、自民党の福田康夫首相(当時)と小沢一郎民主党代表(同)との間を取り持ち、両党の大連立を仕掛けたなどとして注目されたほか、14年には特定秘密保護法の運用基準策定に関する有識者会議「情報保全諮問会議」座長に就くなどした。
96年にオーナーに就いて以降、プロ野球巨人の運営にも長く関与した。04年、スカウト活動での球団不祥事の責任を取って辞任したが、翌年球団会長に復帰。16年に選手の野球賭博問題で最高顧問を退くまで、野球界に存在感を示し続けた。
好角家としても知られ、91年から05年まで日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会の委員、01年から2年間は委員長を務めた。
20年8月に放送されたNHKのインタビュー番組で、自身の戦争体験や戦後政界の舞台裏などを語った。同年10月に行われた中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬では盟友に弔辞を寄せた。主な著書に「ホワイトハウスの内幕」「ポピュリズム批判」など。
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