「派閥の指示」真相見えず=旧安倍派議員、裏金関与を否定―衆参政倫審
自民党旧安倍派などの政治資金パーティー裏金事件を巡る18日の衆参両院政治倫理審査会で、出席者からは政治資金収支報告書への不記載について「派閥の指示だった」との主張が相次いだ。会計処理への直接の関与も軒並み否定。真相はまたも解明されなかった。
「問題のパーティー収入の扱いに関与する立場にも知り得る立場にもなかったことは明確に申し上げたい」。衆院政倫審で弁明に立った旧安倍派の萩生田光一氏はこう述べ、組織的な裏金づくりへの関与を強く否定した。
萩生田氏は安倍晋三元首相の死後に旧安倍派を実質的に仕切った「5人衆」の一人。2022年までの5年間の不記載額は2700万円超と大きく、キーパーソンとも目されてきた。
萩生田氏は、販売ノルマ超過分のキックバック(還流)廃止を安倍氏の指示で22年4月に決めた際や、同氏が亡くなった直後の同年8月に幹部会合で再開について話し合った際には「協議に参加する立場になかった」と説明。還流分の不記載も、報道後に事務所スタッフから聞いて「初めて認識した」と語った。
他の出席者も「報道で知った」(田畑裕明衆院議員)などとし、政治資金の扱いは秘書に任せ切りで自らチェックに当たってこなかったと釈明。5年間の不記載額が2400万円余りだった山谷えり子参院議員は「ノルマ超過分は手を付けず保管していた」と述べ、「脱税になり得る認識はあるか」とただされると、「私的流用していないので当たらない」と突っぱねた。
一方、柴山昌彦氏は衆院政倫審で、超過分の還流について「14年ごろに派閥事務局から秘書に『収支報告書に計上しない対応を取ってほしい』旨の要請があった」と明らかにした。これに対し萩生田氏は、04年の派閥パーティー開催に当たり、ノルマ超過分は返金され、「収支報告書に記載しない取り決めがある」との説明を事務所担当者が受けたと述べた。
組織的な裏金づくりはいつ始まったのか―。2人の証言には10年の食い違いがあるが、政倫審では詳しい経緯などは明らかにならずじまいだった。
旧安倍派の裏金事件で東京地裁は、会計責任者に政治資金規正法違反(虚偽記載)の有罪判決を下すとともに、派閥幹部の指示に従わざるを得ない立場だったと認定した。野党には、22年8月の会合に出席していた世耕弘成、西村康稔両衆院議員らに改めて証言を求める声がある。立憲民主党の若手は「来年の通常国会で参考人招致などがテーマになる」と語った。
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