2024-12-17 19:14社会

議事録公表でNHK側と和解=元職員ら、かんぽ報道巡り―東京高裁

 NHK経営委員会がかんぽ生命保険の不正販売問題に関する報道について会長を厳重注意したことを巡り、元職員らがNHKと森下俊三前委員長に関連議事録の開示などを求めた訴訟は17日、東京高裁(舘内比佐志裁判長)で和解が成立した。原告側によると、NHKが議事録をホームページで公表し、森下氏が原告98人に各1万円を支払う内容。
 一審東京地裁判決によると、NHKは2018年4月に不正販売問題を報道したが、日本郵政グループから抗議を受け、経営委は同10月に当時の会長を厳重注意した。元職員らは厳重注意に至った経緯が分かる議事録などの開示を求めていた。
 判決は、議事録があるとは認められないが録音データをNHK側が保有していると認定。NHK側にデータの開示や慰謝料の支払いを命じた。
 控訴審でNHK側は改めてデータの存在を否定した上で、録音を文字に起こしていた文書を議事録とすることに合意した。
 和解成立後に記者会見した原告の長井暁さんは「画期的な和解だ。NHKは経営の透明性を確保しないと視聴者の信頼を得られない」と述べた。
 取材に応じた古賀信行現委員長は「議論した内容を記録にとどめ公表するということを徹底する」と話した。 
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集