DeNAの三浦監督、見せた執念=マウンドで投手一喝―プロ野球2024
セ・リーグ3位からクライマックスシリーズを制し、26年ぶりの日本一に輝いたDeNA。三浦大輔監督が見せた勝利への執念が、リーグ戦終盤の潮目を変えたのかもしれない。
8月27日。混戦のセで4位だったDeNAは、3.5ゲーム差で先を行く3位阪神と対戦した。「もう一戦も負けられない」。選手たちは異口同音に話していた。
5―2で迎えた七回、今季加入したウィックが2番手で登板した。制球が定まらず、連続四球と安打で無死満塁に。交代を告げようとマウンドへ向かう指揮官に、ウィックは何度も「ノー」と言い抵抗。普段は穏やかな監督が珍しく声を荒らげて感情をあらわにし、背中を強く押して降板させた。チャンスで盛り上がる阪神ファンとDeNAファン、両者の視線がマウンドに集中していた。
勝って終えた試合後、監督は「覚えていない。正直、考えて行動していなかった」と平然とした表情で話した。2021年に就任し、4年目で初めて見せた姿だった。目の当たりにした主将の牧は「それだけ監督自身も何か思いがあると思う。自分たちもやらなきゃいけないと感じた」と気を引き締めた様子だった。
指揮官の一喝に触発されるように、チームは翌日も阪神を破って勝率を5割に戻した。9月3~5日には広島3連戦で3連勝。相手を首位から陥落させ、混戦に拍車をかけた。ウィックも約1週間ぶりの登板となった同4日に2回無失点の好投。その後もブルペンを支え、Aクラス入りに貢献した。
[時事通信社]
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