被爆者ら「平和考えて」=現地高校生に体験語る―「重要なメッセージ」・オスロ
【オスロ時事】ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の被爆者らは11日(日本時間同日夜)、ノルウェーの首都オスロのキューベン高校を訪れ、現地の高校生に自らの体験を語り「平和について考えて」と呼び掛けた。生徒らは真剣な面持ちで耳を傾け、「重要なメッセージ」を心に刻んだ。
訪問したのは、事務局次長の浜住治郎さん(78)と代表理事の横山照子さん(83)ら3人で、社会学などを学ぶ生徒約200人が参加した。
長崎の被爆者の横山さんは、幼い頃に被爆した妹が入退院を繰り返し、学校にもほとんど通えず44歳で亡くなったことを語り、「原爆の被害は人間の一生を駄目にするということを知ってほしい」と強調。「平和な世の中でしか、自分の歩む道を自分で決めることはできない。高校生の皆さんには、平和について考えてほしい」と語った。
浜住さんも、広島で母親の胎内にいた時に被爆し、爆心地近くにいた父を失ったことを伝えた。「報復の連鎖は何を生むのでしょうか」と問い掛け、「皆さんの夢がかなうには平和が必要。戦争も核もない世界に向かって、共に歩みましょう」と訴えた。
訪問は約1時間半で終了し、生徒からは3人に長崎の平和祈念像など平和をモチーフにした記念品が贈られた。
国連で働くのが夢というファルワ・ワセムさん(18)は「心が動かされた。家族を失った話はとても悲しかった」と語った。イマーン・ヌアーさん(17)は「被爆者からとても重要なメッセージを受け取った。若い世代は心に留めるべきだ」と力を込めた。
[時事通信社]
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