「伝統的酒造り」無形文化遺産に=日本酒や焼酎、泡盛などの技術―ユネスコが登録決定
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録することを決定した。文化庁が5日、発表した。日本の無形文化遺産登録は2022年の「風流踊(ふりゅうおどり)」以来で、23件目。
伝統的酒造りは、こうじ菌を用いて日本酒や焼酎、泡盛などを造る技術。文化庁によると、500年以上前に原型が確立し、日本各地でそれぞれの風土に応じて発展、受け継がれてきた。
自然や気候に関する知識などとも深く結び付いており、酒造りの総責任者である杜氏(とうじ)や、杜氏の下でこうじ造りなどに携わる蔵人(くらびと)らが経験に基づいて築き上げてきた技術でもある。
さまざまな手法で造られる酒は、儀式や祭礼行事など、日本文化の中で不可欠な役割を果たしている。
政府間委員会は、伝統的酒造りが「食料安全保障、環境の持続可能性、持続可能な消費と生産、平和と社会的結束に貢献する」などと評価。登録のための基準を満たしていると判断した。
石破茂首相は登録を「心からうれしく思う」とするメッセージを発表し、「地方創生や海外へのさらなる展開にもつながるよう、関係者の取り組みを支援していきたい」とした。
登録件数の多い日本の審査は実質2年に1度で、22年に提案したが審査が見送られ、23年に再提案。事前審査したユネスコの評価機関が今年11月、登録するよう勧告していた。
日本の無形文化遺産はこれまでに、能楽や歌舞伎、和食などが登録されている。
[時事通信社]
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