米、同盟国の政治混乱警戒=戒厳令解除も対韓関係に暗雲
【ワシントン時事】バイデン米政権は、韓国の尹錫悦大統領が「非常戒厳令」を解除したことに「歓迎」(ブリンケン国務長官)を表明した。だが、アジアの重要な同盟国の一つである韓国の政治が混乱に陥ることに警戒を隠さない。米国との関係強化を進めた尹氏は弾劾訴追に直面し、求心力低下が必至。米韓関係の先行きには暗雲が立ち込める。
尹氏が現地時間3日夜に戒厳を宣言した後、米政府は対応に追われた。ホワイトハウス高官が「注視している」と明らかにし、キャンベル国務副長官は国務省での会合で「政治的対立が法の支配に基づき、平和的に解決されることを望む」と表明。関係当事者に冷静な対応を呼び掛けた。
米国家安全保障会議(NSC)報道担当官は「事前に知らされていなかった」と語る。宣言が寝耳に水だったことから、米側は刻一刻と変化する現地の状況を「重大な懸念」(キャンベル氏)を持って見守らざるを得なかった。戒厳令が解除されると、米当局者は「安堵(あんど)している」と胸をなで下ろした。
それでも、戒厳という強権的な手法を取った尹氏に対し、米側の不信感は募る。米国防当局者は、ワシントンで今週予定していた核抑止に関する情報共有強化に向けた「核協議グループ(NCG)」の会合と机上演習が、延期されたと明らかにした。新たな開催日程は不明という。
軍事面を含め中国や北朝鮮の脅威が高まる中、バイデン政権は同盟重視を掲げる尹政権との連携を深めた。安全保障分野で日米韓3カ国の協力を強化したのは、バイデン大統領の「外交遺産」の一つでもある。だが、バイデン氏が来年1月に退任するまでに韓国の混乱が収まる見通しはなく、これに乗じて北朝鮮が軍事挑発に出る可能性もある。米韓関係は厳しい局面を迎える。
[時事通信社]
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