2024-12-04 18:29社会

小中理数、高水準を維持=理科で得点低下「問題視不要」―トップはシンガポール・23年国際調査

日本の平均得点の推移
日本の平均得点の推移

 国際教育到達度評価学会(IEA)は4日、世界の小学4年と中学2年を対象とした2023年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果を公表した。日本は小中とも理科で前回より平均得点が低下したが、文部科学省は算数・数学を含め、「高い水準を維持した」としている。小中、いずれの教科もシンガポールがトップだった。
 調査は4年に1度実施。今回は58カ国・地域の小学生、44カ国・地域の中学生が参加した。日本では、141校約3900人の小4と133校約3900人の中2が対象となった。
 その結果、日本の小4算数の平均得点は前回から2点ダウンの591点(5位)で、中2数学は594点から595点(4位)に上がった。順位はいずれも前回と変わらなかった。
 小4理科は、前回から7点ダウンの555点で、4位から6位に下がった。中2理科は13点ダウンの557点だったが、前回と同じ3位だった。
 文科省は、小4理科について、砂漠の生き物に関する出題があったことなどを挙げ、「日本の児童になじみのない問題が一定数あったことが影響した」と分析。中2理科については「国際的にスコアが低下している」と指摘し、いずれも「問題視する必要はない」としている。 
 日本は今回初めてコンピューター使用型調査(CBT)に参加したが、同省は「前回と同一問題の平均正答率は全教科で同程度だった」とし、CBT移行に伴う影響は小さいとみている。
 質問調査では、数学と理科の勉強が「日常生活に役立つ」「楽しい」と考える日本の中学生の割合が増加傾向にあった。一方、算数・数学や理科を「得意」とする回答は小中学生いずれも減少した。

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