マイナ保険証、利用伸び悩み=安全性への懸念背景か
政府は12月2日から健康保険証の新規発行を停止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」への移行を加速したい考えだ。ただ、マイナ保険証の利用率は15%と伸び悩んでおり、政府はセキュリティー面の懸念などが背景にあるとみている。
マイナ保険証は2021年10月から本格運用が始まった。厚生労働省によると、今年10月末時点で全人口の75%強に当たる約9400万人がマイナンバーカードを保有し、マイナ保険証の登録者も約7700万人に上る。
一方で、マイナ保険証の医療機関などでの利用率は10月の1カ月間で15.67%にとどまる。伸び悩む理由について同省担当者は、過去に別人の情報が誤って登録された問題があり、「情報管理に懸念を抱く人もいるのではないか」と推測する。
政府はマイナ保険証のメリットとして、デジタル化により事務手続きが円滑になることや、他の医療機関での診療情報を生かしたより良い医療が提供できることなどを挙げる。ただ、当面は安全性への懸念を和らげることを目指し、「カードを落としても悪用はされない」などと呼び掛けている。
厚労省担当者は「積極的に活用してほしいが、強制ではない。(健康保険証とマイナ保険証の)いずれでも安心して受診できるよう対応したい」と話した。
[時事通信社]
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