ヒズボラ、停戦は「神が授けた勝利」=レバノン南部へ住民帰還開始
【カイロ時事】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは27日、イスラエルとの停戦を受けて声明を出し、レバノン南部の集落を占領しようとしたイスラエル軍の試みは失敗したと断じた上で、「全能の神から授かった勝利だ」と強調した。停戦発効後、ヒズボラが公式に反応を示したのは初めて。
ヒズボラは「敵国イスラエルの野望や攻撃に対処する態勢は維持している」と指摘。「侵攻が終わる日まで」ヒズボラ戦闘員はイスラエルを標的にすると述べ、警戒心を隠さなかった。
AFP通信によると、レバノンでは過去数週間に90万人以上の住民が戦火を逃れ避難を余儀なくされたが、27日の停戦発効後、数万人が帰還を開始。南部に向かう道路は、毛布やスーツケースを運ぶ人々の車で混雑した。避難民の一人は「今の心境を何と表現していいか分からない。民衆が勝ったのだ」と喜びの気持ちを表した。
レバノン軍は27日、停戦合意に基づき、対イスラエル国境の北約30キロを流れるリタニ川の南方に部隊を展開させたと発表。政党でもあるヒズボラの議員はAFPに、レバノン軍の展開で政府に「全面的に協力する」と明言した。
一方、イスラエル軍は依然としてレバノン南部に駐留し、住民に南部への移動を自制するよう求めた。軍は28日、南部の複数の地域で合意条件に反する不審な車両を発見し、銃撃。「テロリストの活動を確認した」として、南部のヒズボラの関連施設を空爆した。
[時事通信社]
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