G20サミット、閉幕=気候変動、取り組み継続を確認
【リオデジャネイロ時事】日米中など20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は19日(日本時間20日)、ブラジル・リオデジャネイロで閉幕した。初日の18日に首脳宣言を公表し、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」の長期目標達成へ「結束し続ける決意を再確認する」と表明した。「パリ協定」からの再離脱を掲げるトランプ次期米政権の発足を前に、温暖化対策の継続を強調した。
日本からは石破茂首相が出席し、2日目の19日は、「持続可能な開発とエネルギー移行」をテーマに議論。気候変動は、議長国ブラジルが優先課題に挙げるテーマの一つだが、同時期にアゼルバイジャンで開催している国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)では、先進国による途上国への温暖化対策支援の拠出額を巡り、先進・途上国の対立が表面化している。
こうした状況を受け、G20首脳宣言では新たな拠出額の目標に関する「成果を期待する」と表明した。ただ、対立解消に向けた具体策には言及しておらず、2日目の協議で、多国間の枠組みの下での気候変動問題に対する取り組み継続に向け、議論を深められるかが課題だ。
トランプ氏復権では、世界的に保護主義的な傾向が強まることも懸念される。首脳宣言では「世界貿易機関(WTO)を中核とする、ルールに基づく、公正で開かれた多角的な貿易体制を確保する」と指摘したものの、明確に保護主義に反対する姿勢は示さなかった。世界経済の不透明感が増す中、国際経済協力を議論する最上位の場と位置付けられるG20だが、山積する国際課題に十分に道筋を示せぬまま閉幕を迎えた。
[時事通信社]
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