観光バス横転、指導不足=「フェード現象」原因―事故調
静岡県小山町の県道で2022年10月、観光バスが横転して乗客1人が死亡、28人が重軽傷を負った事故で、国土交通省が委託した事業用自動車事故調査委員会は15日、急な下り坂でフットブレーキを多用したためにブレーキが利かなくなる「フェード現象」が起きたことが原因だったとする報告書を公表した。
事故調は、バス運行会社による指導が不十分だったとして、普段からドライブレコーダーの映像記録を確認したり、外部の専門機関を活用したりするなどし、運転手に適切な指導監督を行うよう求めた。
報告書によると、運転手だった男性(28)は乗り心地を重視し、シフトダウンではなくフットブレーキによる減速を選択。フェード現象についての知識はあったが大型バスの運転経験が浅く、上司も下り坂での危険性を指導していなかった。
事故は富士山須走口5合目から小山町に至る急カーブが連続する下り坂で発生。男性は自動車運転処罰法違反罪で実刑判決が確定している。
[時事通信社]
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