女川原発、13年ぶり発送電再開=来月中に営業運転へ―東北電
東北電力は15日、計測器トラブルで停止後に再稼働した女川原発2号機(宮城県、出力82.5万キロワット)で、午後6時に発電を再開したと発表した。2011年3月の東日本大震災以来、約13年8カ月ぶりに同原発から一般家庭や企業への送電が開始された。
原子炉の出力を徐々に上げながら稼働状況を確認する「調整運転」を行った後、設備点検のためにいったん停止。本格的な営業運転開始は12月中を見込む。約70%の出力で1年間運転した場合の発電量は、一般家庭約162万世帯分に相当すると試算している。
10月29日に原子炉を起動させたが、炉内に計測関連機器を送り込む案内管が外れており、計器を自動で回収できなくなったため、今月4日に原子炉を停止。接続部のナットを締め付け直すなどの対策を行い、13日に原子炉を再び起動させた。
女川原発は、事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)。震災当時は約13メートルの津波に襲われたが、外部電源が確保できたことなどから全3基で冷温停止した。
東北電は再稼働に向け、建物の耐震基準の引き上げや防潮堤のかさ上げなど、総額約5700億円かけて安全対策工事を行った。
震災後、東日本に立地する原発や、BWRとして初の再稼働だった。
東北電の樋口康二郎社長は「福島第1原発事故の教訓を反映し、新たに生まれ変わるとの決意を込め『再出発』と位置付けている」とした上で、「安全性向上に向けた取り組みを着実に進めていく」とのコメントを出した。
[時事通信社]
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