2024-11-14 23:46

APEC首脳会議、15日開幕=高まる保護主義、閣僚会議で議論

 【リマ時事】アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が15日(日本時間16日未明)、ペルーの首都リマで開幕する。ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢緊迫化で世界経済の下振れリスクは拡大。米中貿易摩擦の激化による保護主義の高まりに警戒感が広がっている。こうした中、域内の持続的な経済成長の実現へ多国間でのルールに基づく自由貿易の重要性を確認したい考えだ。
 日本からは石破茂首相が出席。バイデン米大統領や中国の習近平国家主席も参加する。ロシアのプーチン大統領は参加を見送る。2日間の討議を経て、首脳宣言を採択する方向で調整している。
 首脳会議に先立ち、14日(同14日夜)には閣僚会議が開幕した。武藤容治経済産業相と岩屋毅外相が出席。自由貿易の推進や脱炭素化に向けた水素の利活用などを討議する。 
 貿易を巡っては、議長国ペルーが重視する「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」構想の実現に向けた議論が交わされる。APECに参加する21カ国・地域での形成を想定。2022年に発効した日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など15カ国による「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」よりも広範な自由貿易体制によって、APEC域内の経済成長につなげる狙い。
 ただ、米中は輸入関税や輸出規制などで対立を深め、トランプ次期米大統領は中国をはじめ各国の製品に関税を課すと宣言している。世界経済の分断が一段と強まれば、中国経済の急減速などを通じて域内の景気に変調を来しかねない。首脳宣言はどのような形で協調姿勢を打ち出すかが焦点だ。
[時事通信社]

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