KADOKAWAに勧告=買いたたき、3割超減額も―下請法違反・公取委
雑誌の原稿や写真撮影を委託したライターら下請け業者への料金を著しく低く定めたとして、公正取引委員会は12日、下請法違反(買いたたき)で、出版大手「KADOKAWA」(東京都千代田区)と100%子会社に再発防止などを勧告した。最大で39%を超える引き下げも行われていた。
子会社は生活情報誌「レタスクラブ」などの出版事業を手掛ける「KADOKAWA LifeDesign」(同)。
公取委によると、KADOKAWAは昨年1月、レタスクラブの記事作成や写真撮影を委託しているライターら26業者に対し、同4月発売号の掲載分から原稿料や撮影料を一方的に引き下げると通告した。
引き下げの割合は約6.3~約39.4%で、ほとんどのケースで10%を超えていた。引き下げはレタスクラブの事業が子会社に移管された今年4月以降も継続されていた。
KADOKAWAは販売、広告収入が減少傾向にある中、輸送費などのコスト増を受け、利益を確保するために引き下げたとみられる。
ライターら26業者のうち、フリーランスを含む個人事業者は21人で、公取委の調査に「今後の仕事がなくなる可能性があるため、何も意見を言えなかった」「立場が違いすぎて抵抗したところで変わらないと思った」などと話しているという。
勧告には、もともとの発注料金との差額を支払うことも含まれる。試算では、今年8月末までで総額約590万円に上るという。
KADOKAWAは勧告を受け、子会社と連名でコメントを発表。差額に相当する金額を業者に支払うとした上で、「さらなるコンプライアンスの強化と再発防止に取り組み、法令順守を徹底していく」と表明した。
[時事通信社]
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