政府、警戒監視強める=「暴挙」と非難―北朝鮮ミサイル
石破茂首相は31日、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、関係閣僚を首相官邸に集めて国家安全保障会議(NSC)を開いた。米韓両国と連携して情報収集・分析を急ぐとともに、自衛隊などによる警戒監視に万全を期す方針を確認。この後、臨時に記者会見した林芳正官房長官は「国際社会全体の緊張をエスカレートさせる暴挙だ」と非難した。
今回の発射では、飛行時間と最高高度が従来の記録を超えた。米大統領選を控え、核実験に踏み切るとの観測も出ている。
林氏はこれについて「北朝鮮は核・ミサイル能力を強化していく意志を一貫して示している。今後、各種ミサイルの発射や核実験の実施を含め、さらなる挑発行為に出る可能性はある」と警戒感を表明。ロシアとの軍事協力が進む中でのミサイル技術向上に関しては「詳細は分析中だ」と述べるにとどめた。
中谷元・防衛相は今回のミサイルについて「大陸間弾道ミサイル(ICBM)級」だとし、「少なくとも従来のミサイルを超えるものだ」と指摘。ただ、新型かどうかについては断定を避けた。
首相は情報収集・分析や国民への迅速な情報提供、航空機・船舶の安全確認に全力を挙げるよう関係省庁に指示。不測の事態に備え、万全の態勢を取ることも求めた。林氏によると、被害は確認されていない。外務省は北京の大使館ルートを通じ、北朝鮮に厳重に抗議した。
[時事通信社]
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