イスラエル、1カ月停戦案提示=ハマスは主張譲らず―ガザ
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉で、イスラエルのメディアは29日、同国政府が仲介国カタールに対し、停戦期間を1カ月とする案を新たに提示したと報じた。停戦に合わせてイスラム組織ハマスが人質11~14人を解放するのと引き換えに、イスラエルがパレスチナの囚人を釈放するという内容。ただ、ハマスが求める恒久停戦などは盛り込まれておらず、交渉が進展するかは不透明だ。
1カ月停戦案は、イスラエルの対外情報機関モサドのバルネア長官が提示した。別の仲介国エジプトのシシ大統領も先に、長期の停戦へつなげるための2日間の停戦案を提示。仲介国を交えて複数の案が議論されているもようだ。
今回のイスラエル案では、ハマスの拘束下にあるすべての女性と子供の解放が明記されているが、ハマスが強硬に主張する恒久停戦やイスラエル軍のガザ撤退は含まれていない。イスラエルはハマスを納得させるため、釈放する囚人の数を100人程度に増やす意向という。
ハマス幹部は29日、仲介国からの新しい案を精査中だと説明。「いかなる取引やアイデアにもオープンだ」としつつ、恒久停戦や軍撤退の要求を繰り返した。停戦交渉は27日にカタールで再開され、近くエジプトで継続される見通し。
一方、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは30日、イスラエル軍が29日にガザ北部ベイトラヒヤの集合住宅を空爆し、110人以上が死亡したと伝えた。軍はガザ北部で包囲作戦を継続。地元当局は「食料や水、病院、通信手段が全くない」と訴えた。米国務省のミラー報道官は、ベイトラヒヤの爆撃に関し「恐ろしい出来事だ」と語り、イスラエルに説明を求めたと明らかにした。
[時事通信社]
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