成長戦略、引き続き推進を=政策停滞「余裕なし」―経済界【24衆院選】
衆院選での与党大敗を受け、経済界からは28日、「賃上げや国際経済秩序の強化に政治が迅速に取り組んでいただきたい」(経団連の十倉雅和会長)と、引き続き成長戦略の推進を求める声が相次いだ。少子高齢化などの課題が山積する中、新浪剛史経済同友会代表幹事は「今の日本にこうした課題への対処を遅滞させる余裕はない」と断じ、政策停滞は許されないとの考えを示した。
自民、公明両党による連立与党の過半数割れで、新たな政権の枠組みは流動的になった。日本商工会議所の小林健会頭は「全企業の99%を占め、雇用の7割を担う中小企業の強化なくして継続的な賃上げは実現できない」と強調。その上で「今後は政局となるが、政治の安定なくして持続的な経済成長はあり得ない」と、政治の早急な安定化を求めた。
自動車大手の幹部は、当面政治の混乱が続くと予想し、「この間も経済や外交は動いている。早く政策論議を進めてほしい」と語った。
原発政策の先行きも不透明だ。日本鉄鋼連盟の今井正会長は「安全を大前提とした新設も含めた原子力の活用」を強く要望。石油連盟の木藤俊一会長も「エネルギー政策はこれまでの方向性の継続を期待する」と注文した。
関西経済連合会の松本正義会長は来年4月に開幕する2025年大阪・関西万博について、「経済成長への重要なプロジェクトだ。開催準備に万全を期していただきたい」と力を込めた。
衆院選では「政治とカネ」の問題が焦点となった。新浪氏は「社会保障や外交・安全保障などの重要課題について議論が十分尽くされたとは言い難い」と指摘。自民党に対し、「政治改革にまい進すべきだ」と早急に襟を正す必要性に言及した。
[時事通信社]
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