イラン報復「目的達成」=ミサイル生産能力に打撃―イスラエル首相
【カイロ、ワシントン時事】イスラエルのネタニヤフ首相は27日、大規模ミサイル攻撃への報復としてイランに行った攻撃について、「全ての目的を達成した」と語った。さらに「(攻撃は)正確で強力だった」と強調した。イラン側は兵士4人が死亡したものの、限定的被害にとどまったとの立場を強調している。しかし、サウジアラビアのメディアは26日、イスラエルの攻撃で、ミサイル燃料製造工場が破壊され、再稼働に少なくとも2年はかかると報じた。
報道によると、攻撃には、イスラエル軍の戦闘機やドローンなど100機以上が参加した。シリアとイラクの防空システムを破壊し、両国の領空から攻撃を実施。イランの防空システムやミサイル工場など標的は約20カ所に及んだ。
サウジのメディアは、イスラエル軍が空爆でミサイル用の固形燃料を作るための装置約20台を破壊したと伝えた。装置は1台200万ドル(約3億円)し、イランは独自でこの機械を製造できないという。
米高官は、ネットメディア「アクシオス」に、「イランのミサイル製造能力をまひさせた」と指摘。イスラエル情報筋は、ミサイル製造が滞ることで、イスラエル攻撃を続ける親イラン組織へのミサイル補充が制限されるとの見方を示した。
一方、イラン国営メディアによると、同国軍参謀本部は、首都テヘラン近郊と西部イラム、南西部フゼスタン州の防空レーダーが攻撃を受けたが、損害は軽微で修復作業が行われたと発表した。「敵機の侵入を防いだ」とも述べた。
バイデン米大統領は26日、記者団に対し、イスラエルのイラン攻撃について、「軍事目標以外は攻撃しなかったようだ。これで終わることを望む」と述べ、紛争拡大を避けるべく、当事国に自制を促した。
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