旧ソ連ジョージアで議会選=「親ロ」「親EU」の路線問う
旧ソ連構成国ジョージア(グルジア)で26日、議会選(定数150、任期4年)の投票が行われた。ロシアに融和的な与党「ジョージアの夢」と親欧米派の野党が激しく対立。ロシアのウクライナ侵攻開始後に欧州連合(EU)加盟を申請したものの、民主化に逆行する法律を成立させたことで加盟手続きが頓挫している。議会選の結果はEU統合路線の将来を左右しそうだ。
「戦争反対」「平和を選ぼう」。与党は9月、ロシアの攻撃で廃虚となったウクライナ東部ドネツク州マリウポリと、ジョージアの保養地として栄える都市の写真を並べた選挙広告を掲示。ウクライナ侵攻を脅しに利用するかのような手法に、親欧米派から批判が噴出した。
2008年、ロシアと軍事衝突して領土の一部を奪われた。だが、反ロ姿勢を封印した「現実路線」を歩むのが、事実上の与党トップとして影響力を誇る大富豪、イワニシビリ元首相の方針だ。
ジョージアは昨年12月、ロシアの軍事的脅威にさらされるウクライナやモルドバに続く形で、交渉を控えるEUの「加盟候補国」に認定された。ところが今年に入り、外国の資金提供を受ける団体を「スパイ」と見なす法律や、LGBTなど性的少数者の権利を制限する法律を制定。議会選をにらんだ動きとされる。
とりわけ「スパイ法」はプーチン政権下のロシアのような市民弾圧につながるとの懸念が強く、野党が抗議デモを連日展開。法案可決後、親欧米派のズラビシビリ大統領は成立に必要な署名を拒んだが、与党が過半数の賛成で拒否権を無効化した。
[時事通信社]
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