円下落、米大統領選思惑で=一時152円台後半、介入警戒も
24日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=152円台後半に下落した。11月の米大統領選で減税策を掲げるトランプ前大統領がやや有利との見方が広がり、財政悪化懸念などから米長期金利が上昇。前日の海外市場では、約3カ月ぶりの安値水準となる153円台まで円が売られる場面もあった。
ただ、加藤勝信財務相らの円安けん制発言が伝わると、24日午後にかけて円を買い戻す動きが強まった。市場では為替介入への警戒感も根強く、不安定な動きが続いている。午後5時現在は152円12~12銭と前日比23銭の円高・ドル安。
円相場は7月、トランプ氏勝利への思惑などから161円94銭と約37年半ぶりの安値を更新。その後は政府・日銀による円買い介入や日銀の追加利上げ、米国の大幅利下げなどを背景に、9月には139円台半ばまで上昇した。
10月2日には石破茂首相が日銀の追加利上げに否定的な考えを示し、円は急落。直近では、衆院選での与党過半数割れの可能性が報じられ、市場では「政権不安定化は円売り材料で、日銀の利上げペースが緩むとの観測も浮上している」(SMBC日興証券の野地慎チーフ為替・外債ストラテジスト)という。
一方、加藤財務相は日本時間24日午前、訪問先の米ワシントンで「足元では一方的、急速な動きが見られ、為替市場の動向を緊張感をさらに高めて注視したい」と発言。みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは「円が一段安となればより強いトーンの口先介入が行われ、実際の為替介入に踏み切る可能性も高まる」と指摘した。
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