自民、甘い「けじめ」浮き彫り=非公認に資金、野党反発【24衆院選】
自民党が、派閥裏金事件を受けて衆院選で非公認となった候補側に対し、2000万円を提供したことが判明した。「政治とカネ」の問題が最大の争点となった選挙戦で、政治資金がつじつまの合わない使われ方をしたことになる。石破茂首相(自民総裁)は既に、当選後の追加公認を示唆。身内の論理優先で、裏金事件の「けじめ」を付けられない党の体質が改めて浮き彫りとなった。
森山裕幹事長は23日、非公認候補が代表を務める政党支部への支出について「候補者に支給したものではない。組織として党勢拡大してもらいたいとの趣旨だ」などと釈明する短いコメントを発表。記者団が求めた取材対応には応じなかった。
ただ、政党支部を巡ってはかねて政治家の「財布」との指摘がある。今回の資金提供は公認候補と同額とされ、党関係者は「非公認となった不利益をカバーする『見舞金』の位置付けだ」と認める。
首相らは、裏金事件に関係した前議員らへの対応で一時、「原則公認」に傾斜。臨時国会の党首討論でも、非公認候補が当選した場合の追加公認の検討を明言した。衆院選で「みそぎ」を済ませたいとの本音が透ける。
森山氏は23日、宮崎市の講演で裏金事件に触れ、「それだけが選挙で議論されるのは間違っている」といら立ちをあらわに。党中堅は「仲間を支えて文句を言われる筋合いはない」と開き直った。
野党各党は一斉に反発した。立憲民主党の野田佳彦代表は遊説先の山口県周南市で記者団に「非公認と言いつつ事実上の公認だ。たちが悪い」と批判。日本維新の会の藤田文武幹事長は大阪府寝屋川市で「国民をだませると思っているならあり得ない」と強調した。
共産党の田村智子委員長は北九州市の街頭演説で「どこまで国民をばかにしているのか」と厳しく指弾。国民民主党の玉木雄一郎代表も福岡県新宮町で「『ステルス公認』だ」と断じた。
[時事通信社]
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