米国務長官、イスラエル入り=中東歴訪でガザ・レバノン情勢協議
【カイロ時事】ブリンケン米国務長官は22日、エルサレムでイスラエルのネタニヤフ首相と会談した。パレスチナ自治区ガザの停戦実現に向けた方策のほか、レバノン情勢などを協議。イスラエルが検討中とされる対イラン報復についても話し合ったとみられる。
ブリンケン氏の中東入りは、昨年10月にイスラエルとイスラム組織ハマスがガザで戦闘を開始して以降で11度目。今回の歴訪は25日までの予定で、AFP通信によると、23日にはヨルダンを訪れ同国高官とガザでの人道支援策を協議する。
ガザ情勢を巡っては、対イスラエル強硬派として知られたハマス最高指導者のシンワル氏が16日にイスラエル軍に殺害されたことを受け、約100人の人質解放や停戦に向けた協議が進展する可能性があるとも報じられた。ブリンケン氏の歴訪で、暗礁に乗り上げている停戦交渉を再び前進させられるかが焦点だ。
イスラエルのメディアは21日、ネタニヤフ政権が20日夜の治安閣議で、2週間の停戦と引き換えに、5人だけの人質解放を求める新たな案を検討したと報じた。
ブリンケン氏は今回の歴訪で、イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘についても外交による解決を模索。対イラン報復でも、地域紛争の拡大につながる行動を思いとどまらせたい意向だと報じられている。ただ、ヒズボラは22日、戦闘下では「交渉しない」との声明を出した。
イスラエル軍は22日、過去24時間でヒズボラとハマスの標的計約230カ所を空爆したと発表した。ヒズボラに関連する金融機関への攻撃も強化。レバノン保健省は22日、首都ベイルート南郊の病院付近への前日の空爆で18人が死亡したと明らかにした。
ヒズボラもイスラエルの商都テルアビブ近郊の軍基地に向けてロケット弾を発射するなど、応酬が続いている。
[時事通信社]
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