ロシアでBRICS首脳会議=22日から、世界の多数派アピール
ロシア中部カザンで22~24日、新興国グループ「BRICS」首脳会議が開かれる。プーチン大統領が議長を務め、中国の習近平国家主席やインドのモディ首相らが出席。ウクライナ侵攻を続けるロシアが西側諸国の制裁下で「孤立していない」(ペスコフ大統領報道官)ことを示し、逆に世界の多数派を率いているとアピールするのが最大の狙いだ。
ロシアはウクライナ南部クリミア半島を「併合」した2014年、先進7カ国(G7)と対立して以降、影響力を行使する場として20カ国・地域(G20)に軸足を移した。ただ、今年11月中旬にリオデジャネイロで首脳会議(G20サミット)を開催するブラジルは、国際刑事裁判所(ICC)加盟国。侵攻を巡ってICCの逮捕状が出たプーチン氏は訪問を断念した。BRICS首脳会議を「ロシア主導のサミット」として重視しているもようだ。
「(自国史上)最大の外交行事になる」。ウシャコフ大統領補佐官(外交担当)はこう豪語する。新興5カ国の枠組みに今年1月、イランやエジプトなどが加入し、今回が初の首脳会議。拡大会合に臨むパートナー国を含めると、首脳らが訪ロするのは30カ国超に上るという。その規模は13年のサンクトペテルブルクG20サミットに匹敵。中ロなどの2国間会談も行われる。
これらの国々の多くは新興・途上国「グローバルサウス」と呼ばれ、対ロ包囲網に加わっていない。プーチン政権は今年6月のBRICS外相会議の共同声明に沿い、西側諸国の制裁を「懸念」する立場を確認したい考え。また、ウクライナが対ロ圧力を強めるべく第2回「平和サミット」の年内開催を模索する中、各国が仮に6月の初回のように参加しても共同声明に署名しないよう暗に促すとみられる。
[時事通信社]
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