12年前の雪辱期す=立憲民主党・野田佳彦代表【党首奮戦記】
「裏、裏、裏の自民党政治に決別しよう」。衆院選公示日の15日、自民派閥裏金事件に関係した相手候補の選挙区を飛び回り、声を張り上げた。自身の手による衆院解散・総選挙で旧民主党政権が幕を閉じてから約12年。その後、「自民1強」の状況に甘んじてきたが、裏金事件への有権者の怒りを肌で感じ、「政権交代こそ最大の政治改革」と訴える。
地元千葉の金権政治に触れた経験から、政治改革への思いはひときわ強い。保守的な政治信条から、党内では保守・中道層の新たな取り込みに期待も高まる。
一方、9月の党代表選を制して表舞台に返り咲いてまだ1カ月。共産党などとの「野党共闘」は崩れ、小選挙区の候補者調整は思うように進まなかった。立民の候補者は237人と衆院定数の過半数に達したが、政権交代の実現には心もとない。
「政権を渡し、1回水に落ちた。崖に爪を立て、はい上がっていくつもりだ」。衆院選への決意を「背水の陣」ではなく「水中の陣」と語る。政治家人生を懸けた大勝負が始まった。
[時事通信社]
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