台湾総統「自由民主体制守る」=度重なる軍事威嚇に危機感も
【台北時事】台湾の頼清徳総統は14日、中国による大規模軍事演習を受けて即座に安全保障を統括する拡大国家安全会議を招集し、「外部の脅威に直面しても、自由で民主的な憲政体制を守り続ける」と表明した。総統府報道官が明らかにした。台湾では、中国の度重なる軍事的威嚇に、危機感を示す声も上がっている。
中国軍は2022年8月にペロシ米下院議長(当時)の訪台に反発して台湾を包囲する形で異例の大規模演習を展開。これを機に中国軍機による台湾海峡の中間線越えや台湾の東側に回り込んでの軍事活動を常態化させている。
中国の脅威に慣れた台湾では今回の演習に冷静な受け止めが多い一方で、台湾の軍事専門家は「実際に侵攻に踏み切る可能性はまだ低いが、演習を重ねて侵攻能力を高めていることは間違いない」と懸念を示した。
台湾国防部(国防省)は14日、「不合理で挑発的な軍事演習は台湾海峡の安全を危険にさらしている」と非難。外交部(外務省)も「中国は地域の平和と安定を壊すトラブルメーカーであってはならない」と訴えた。
ただ、頼氏は14日、自身のフェイスブックで、「中華人民共和国(中国)に台湾を代表する権利はない」「国家主権を堅持し侵犯と併合を許さない」などと述べた10日の「双十節」(建国記念日)の演説について「台湾と一緒に地域の平和と安定に責任を負い貢献するよう呼び掛けたものだ」と説明。緊張のエスカレートを避けたい意向ものぞかせた。
[時事通信社]
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