自民公約、政活費「将来の廃止念頭」=交付金倍増・防災庁設置目指す―衆院選【公約比較】
自民党は10日、衆院選(15日公示、27日投開票)の公約を発表した。派閥裏金事件に伴う政治不信の払拭に向け、政党が議員に支給する不透明な政策活動費について「将来的な廃止も念頭に改革に取り組む」と明記。石破茂首相(党総裁)が掲げる地方創生の交付金倍増や防災庁設置を目指す方針も打ち出した。
公約は「日本を守る。成長を力に。」がキャッチフレーズ。「ルールを守る」「暮らしを守る」など6本柱で構成し、「自民党は必ず変わる」とする首相のメッセージを記した。
国民の信頼回復に向けては、新設した「政治改革本部」を中心に「厳しい反省と強い倫理観の下、不断の政治改革、党改革に取り組む」と強調。政活費を監査する第三者機関の設置、政党交付金の交付停止制度創設、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開などに取り組むと記した。
物価高対策では低所得者世帯を下支えする給付金による支援を明記。災害関連死ゼロを目標に、避難所の環境を抜本的に改善し、災害発生後速やかにトイレ、キッチンカー、ベッド、風呂を利用できるよう対策を進めると訴えた。
外交・安全保障分野では、首相の持論であるアジア版NATO(北大西洋条約機構)創設は明記せず、「地域の安全と安定を確保する取り組みを主導する」と主張。首相が改定に意欲を示してきた日米地位協定に関しても「あるべき姿を目指す」と記すにとどめた。
小野寺五典政調会長は10日の記者会見で、衆院選後に自身をトップとする機関を設け、アジアの安全保障の在り方に関する議論に着手する考えを示した。アジア版NATOなどが議題となる。
公約は憲法改正については衆参両院憲法審査会で議論を深め、「改憲原案の国会発議を行い、国民投票を実施し、改憲を早期に実現する」とした。
[時事通信社]
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