ヒズボラ後継指導者「殺害」=イスラエル首相、組織弱体化主張
【エルサレム時事】イスラエルのネタニヤフ首相は8日、9月に殺害したレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ最高指導者ナスララ師の後継者を「除去した」と語った。名前は明示しなかったが、今月初旬にベイルート南郊への攻撃で標的にした有力幹部サフィエディン師の殺害を確認したとみられる。軍は精査中としているが、死亡が事実ならヒズボラには大きな打撃となる。
ネタニヤフ氏はビデオ演説で「ヒズボラは前より弱体化した」と主張。「レバノンは重大な岐路にある」と述べ、同国民に向け「(パレスチナ自治区)ガザで見ているような破壊や苦しみをもたらす長期戦に陥る前に、レバノンを救うチャンスがある」とヒズボラ排除を訴えた。
イスラエル軍は、地上侵攻したレバノンで作戦や空爆を拡大している。9日の声明では、過去24時間に約185の標的を攻撃したと発表した。AFP通信によると、ヒズボラは9日、国境地帯の交戦で大砲やロケット弾を使ってイスラエル軍を撃退したと主張。イスラエル北部ではヒズボラのロケット弾攻撃で市民2人が死亡した。
シリア国営通信によれば、首都ダマスカスでは8日、イスラエル軍が実行したとされる空爆で7人が死亡。米メディアは、シリアからレバノンへの兵器密輸に関与するヒズボラ幹部を狙ったとみられると伝えた。
一方、米国防総省は8日、翌日予定していたイスラエルのガラント国防相の訪米延期を発表した。ガラント氏は、イランがイスラエルに対して行った大規模ミサイル攻撃への報復などについて米高官らと協議する予定だったが、ネタニヤフ氏の意向で延期が決まったとされる。
[時事通信社]
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