政活費「将来的な廃止念頭」=石破首相、裏金再調査に慎重―解散控え、衆院代表質問
石破茂首相の所信表明演説に対する各党代表質問が7日、衆院本会議で始まった。自民党派閥の裏金事件を受け、首相は政策活動費の「将来的な廃止も念頭に、在り方の検討や透明性の確保に取り組む」と表明。ただ、再調査については「適切に判断する」と述べるにとどめ、慎重な考えを示した。自民の小野寺五典政調会長、立憲民主党の野田佳彦代表の質問に答えた。
9日の衆院解散を控え、首相と野田氏は国会で就任後初の論戦に臨んだ。野田氏は裏金事件への自民の対応を厳しく批判。「政権交代こそが最大の政治改革だ」と訴えた。
首相は衆院解散に関し「新しい内閣発足に伴い、国民の意思を確かめる必要がある」と主張。首相就任前に解散方針を表明したことへの批判に対し、「天皇の国事行為に踏み込んだとの指摘は当たらない」と反論した。
自民が4月に行った裏金事件の処分については、「甘い処分で幕引きを図ろうとしたものとは認識していない」と強調。日本維新の会の馬場伸幸代表が衆院選での「裏金議員」の公認問題をただしたのに対し、首相は「不記載があった議員について、地元の理解が得られているかなどを判断する」と説明した。
自民総裁選で訴えた「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」創設を巡り、首相は「一朝一夕で実現するとは考えていない」と述べ、中長期的な課題と位置付けた。野田氏への答弁。
金融所得課税の強化に関し「現時点で具体的に検討することは考えていない」と否定。選択的夫婦別姓制度の導入については「国民の間にさまざまな意見があり、さらなる検討をする必要がある」と語った。立民の吉田晴美氏への答弁。
憲法改正では、自民総裁として9条への自衛隊明記や緊急事態条項の創設に触れ、「議論の積み重ねを引き継ぎ、後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」と訴えた。小野寺氏への答弁。
[時事通信社]
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