暴力以外の代替案を=パレスチナ元外相―ガザ衝突1年
パレスチナ自治区ガザを巡る現状についてキドワ元自治政府外相に聞いた。
―なぜガザでの戦闘が長期化したのか。
わたしはイスラム組織ハマスを擁護するつもりはないが、ハマスは停戦を求めてきた。それは彼らにとって理にかなっているからだ。ハマスはガザで生き残り、支配を続けるために停戦を望んでいる。
この戦争は、軍事力など圧倒的な力を持つイスラエル次第だ。イスラエルは、ハマスの存続を認めておらず、ネタニヤフ首相は戦争の継続を望んでいる。
誰もこれほど続くとは思わなかった。イスラエルを唯一止められる米国も(停戦に)真剣ではなかった。イスラエルは(レバノンなどに)さらに戦火を拡大しようとさえしている。
―ハマスは、昨年の奇襲で国際社会が再びパレスチナ問題に関心を寄せたと主張する。
確かにガザの戦争でパレスチナ問題は注目された。しかし、奇襲は肯定できない。パレスチナ問題は暴力ではなく対話によって解決すべきだ。そうでなければ再び衝突が起きるだろう。
ガザの人々は、失うものは何もない。わずかな金を提示されただけで、ハマスに参加するだろう。暴力以外の、より良い未来へつながる代替案が必要だ。
―具体的な代替案はあるか。
7月にイスラエルのオルメルト元首相と、パレスチナ問題の解決に向けた共同提案に署名した。ガザでの停戦や(非武装の)パレスチナ国家樹立が含まれている。希望があると示すことが重要だ。ハマスは戦後、生き残るかもしれない。しかし、ハマスもパレスチナも、イスラエルも変わらなければいけない。
[時事通信社]
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