陸自隊員自殺、国に6700万円賠償命令=パワハラとの因果関係認定―福岡高裁
2015年に陸上自衛隊西部方面隊(熊本市)の教育隊に所属していた男性陸士長=当時(22)=が自殺したのはパワハラが原因だとして、男性の両親が当時の教官2人と国に計約8000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が2日、福岡高裁であった。新谷晋司裁判長は、220万円の賠償を認めた一審熊本地裁判決を変更。教官の指導と自殺との間に相当な因果関係があったと認め、国に計約6700万円の賠償を命じた。
新谷裁判長は、教官らの安全配慮義務に違反した指導で、陸士長が適応障害などを発病して自殺したことは「予見可能と評価できる」と指摘。指導と自殺との間に相当な因果関係があると認めた。22年1月の一審判決は、指導と自殺との一定の因果関係を認めたが、指導期間が短いことを挙げ、「自殺に至ると予見することは困難だった」としていた。
判決によると、陸士長は15年9月29日、長崎県佐世保市にあった共通教育中隊に配属。同10月6日、教官2人から「お前のようなやつは殺してやりたい」と言われたり、胸ぐらをつかまれたりした。陸士長は翌7日未明、隊舎内で自殺した。
[時事通信社]
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